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今回のテーマは「ウォーキングで栄養代謝のベースを作ろう」です。ぜひご覧ください。

ARTICLE THEMAウォーキングで栄養代謝のベースを作ろう

ウォーキングで栄養代謝のベースを作ろう

前回は歩数を増やしてダイエットに繋げるという内容を書きましたが今回はウォーキングをすることで身体でどんなことが起きているかについて書いていきたいと思います。

ウォーキングを続けることで身体にとって期待できることとして以下のことが挙げられます。

  • ミトコンドリアの増殖と機能向上
  • 脂肪をエネルギーとして利用した運動ができる

脂肪燃焼とかどーでもいいわーと前回書いてしまったのですがなぜ私がそう書いたのか、ウォーキング中の体内での代謝についての考え方を書きたいと思います。

人間の身体での栄養代謝経路は大きく3つ

  1. 筋トレや短距離本気ダッシュ等高強度運動で利用される
    ATP-CP系
  2. 筋トレや400mなどの中距離走等の運動強度で糖質(乳酸)を利用する
    解糖系
  3. 酸素を取り込んで身体の糖質や脂肪を利用し、長い時間も運動継続が可能な
    TCA回路(クエン酸回路)

上記2つは無酸素運動(エネルギー産生する上で酸素を必要としないという意味で呼吸をしないで運動するわけではないので誤解しないように)と呼ばれる運動強度で利用される代謝経路。

クレアチンリン酸や糖質(乳酸)をガンガン使って大きな力を発揮することができますがそれゆえに高強度運動に対するエネルギー産生が間に合わず数十秒程度しかパフォーマンスを発揮し続けられません。
3つ目はいわゆる有酸素運動というもので、酸素を取り込んでTCA回路という上記のミトコンドリア内で行われる代謝経路を利用し糖質や脂肪を使って沢山のエネルギーを作ることが出来るため長い時間運動することが可能ですが体内での代謝反応が無酸素運動と比べるとスローなので大きな力を発揮することには向いていません。


お分かりの通りウォーキングは有酸素運動なのでよく言われる脂肪燃焼するからダイエット向け!という情報は決して間違ってはいません。しかしそれはあくまで「○○キロカロリー消費のうち何%脂肪をエネルギーとして消費している」と言ったように脂肪の利用割合が有酸素運動では大きくなるだけで、「=痩せる」という単純な話ではないことがわかりますね。

無酸素運動でも身体は酸素を取り込んでいますし同時にTCA回路も利用されており身体活動中の代謝経路はどれか一つだけでなく同時に利用されていると考えて良いでしょう。


例えば100kcalを消費するとして、ウォーキングを行った場合消費カロリー全て脂肪を燃やしているわけではなく人間の身体は糖質をメインに使ってエネルギー産生するようにできていて(特に脳で)、実は脂肪をTCA回路で利用するためには糖質を利用しないと脂肪エネルギーを作ることができません。

エネルギー産生をロウソクに例えると糖質は芯や燃える火脂肪はロウに例えられることがあり、そうイメージしてもらえたら良いと思います。

ウォーキングを継続するということ

ここまで長々と書いてきましたが初めに書いた通りウォーキングを継続することによって

  • TCA回路を行う場所となるミトコンドリアを増やす
  • 糖質はしっかり摂取。運動習慣によって糖質をしっかり使える身体を作り脂肪も燃焼できる代謝のベースを作る

以上のことを意識しながらウォーキングを継続していけばきっと良い身体作りに役立てられるでしょう。

この記事を書いたライター
安田 裕輔 管理栄養士 / 健康運動指導士 / Best Performance サポーター
病院勤務を経て、現在はメディカルフィットネス施設で栄養相談・指導を行いながら、自身では陸上長距離を嗜んでいる。自己ベスト:ハーフマラソン1時間25分、フルマラソン2時間59分

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